栄フィルブログ

2017年8月15日 : 曲紹介
フィンランドの独立を支えた「フィンランディア」 ~交響詩「フィンランディア」誕生の秘密

今年は、フィンランドの独立(1917年12月6日)から100年の記念すべき年。そこでフィンランドの第2の国歌とも言われる「フィンランディア」の生立ちに迫ります。

ところで、フィンランドってどんな国?

童話のムーミンの国、サンタクロースの故郷、冬のオーロラ・・・フィンランドやフィンランド国民のことをスオミSuomiというのですが、その語源は湖、池を意味するスオSuoです。フィンランドは、国土の 8割が森林で、湖沼は18万か所もある自然豊かな国です。

さて、この曲が作曲された1899年頃のフィンランドは、ロシア帝国の圧政下にあって、独立運動が盛んな時代でした。そしてこの時代のフィンランド国民の心の支えとなった曲がフィンランディアだったのです。

ところで、フィンランドはとても親日国であることをご存知でしたか?それは、日露戦争(1904~1905)で日本が(フィンランドにとって憎き)ロシアを打ち破ったからです。当時、バルト海(フィンランドの南)を拠点とするロシアのバルチック艦隊を、日本海海戦

で撃破した東郷平八郎提督はフィンランドでも英雄だとか。東郷ビールが誕生するのですから、その人気もわかりますね。

 

日本がロシアとの戦いに勝ったことは、フィンランド国民を熱狂させ、独立への大きな礎となりました。そればかりか、日露戦争後、日本はフィンランドに対し経済支援として大砲などの兵器を送っていて、これがロシアとの戦争(冬戦争1939年)に使われ、勝利に貢献したのです。

愛国心溢れるフィンランドの作曲家シベリウスの代表作品であるフィンランディアは、フィンランドの国民にとって特別な曲です。どんなふうに特別かをお話ししましょう。

①作曲の経緯

ロシアの圧政下の1899年11月新聞社主催による舞台「愛国記念劇」が開催され、その劇の付随音楽として、フィンランドの歴史的出来事を描写した6曲からなる組曲「歴史的情景」をシベリウスが作曲しました。そして、最後の曲「フィンランドの目覚め」がとても好評だったため、翌年1900年7月改訂・独立させた楽曲『フィンランディア』が誕生したのです。

②曲の構成

冒頭は、ロシアの圧政に苦しむフィンランドの姿を表現しています。「苦難のモチーフ」と呼ばれ、重々しく緊張感溢れる強烈なインパクトをもったメロディです。

その後、アレグロに入ると、次第に民衆の闘争心が湧きあがってくる様が描かれています。弦楽器のトリルの上に金管楽器等が「闘争への呼びかけ」というモチーフ(タ,タタタタ,タタッタというリズム)を演奏し、冒頭の重々しかった苦難のモチーフが次第に民衆の力で抑え込まれてくるかのようです。

そして突然曲調が変わります。低音楽器が、民衆へ蜂起を促すもう一つの「闘争への呼びかけ」のモチーフを演奏し、独立のための戦いの場面に入っていきます。激しい戦いの様子が見事に表現されています。

やがて、戦いに勝利し独立を掴み取った国民の喜びに沸く場面へと移っていきます。まず、賛歌風の旋律が現れ、フィンランドの勝利を歌い上げます(なお、ここの部分は後に歌詞を与えられ、フィンランディア賛歌と呼ばれるようになり、フィンランド第2の国歌として愛唱されるようになります)。そして最後には、「闘争」と「勝利」の2つのモチーフが再現されて感動的なクライマックスをむかえます。

↓ こちらは、フィンランディア(合唱付き)の演奏です。フィンランディア賛歌は、5分36秒からになります。

↓ こちらは、フィンランディア賛歌を子供たちが合唱しています。

③苦労して演奏されたらしい・・・

この曲は、あまりにも愛国的な要素を持っているため、ロシア当局は、フィンランド国民の独立機運の盛り上がりを恐れ、フィンランディアを上演禁止にしました。しかし、弾圧されても何度も何度も曲の名前を変えて上演を繰り返し、独立運動の精神的な支えとして支持され続けたのです。

④映画「ダイハード2」で有名に?

この曲は大ヒット映画「ダイハード2」のラストシーン(空港でのテロリストとの戦いが終わり、空中待機していた飛行機が次々に着陸していく場面)で効果的に使われていて、さらにエンドロールでもフィンランディアが流れます。

↓ ダイハード2のラストシーンです。フィンランディアは3分07秒から、エンドロールでのフィンランディアは10分41秒からです。興味ある方はどうぞ(^^)

監督のレニー・ハーリンは,フィンランド出身ですので,テロリストとの激しい戦いを描いたストーリーをフィンランド独立の戦いに重ね合わせたのでしょう。

 

さあ、みなさんいかがでしたか?

第56回定期演奏会で演奏するフィンランディア誕生の物語は。

フィンランド独立100周年の記念日に合わせて(実際は3週間前ですが)この演奏を聞いてみたくないですか(^^)/~~~

ちょうど100年前、フィンランドの国民たちが、どんな気持ちでこの曲を聞いていたのかに想いをはせながら・・・