栄フィルブログ

2017年4月19日 : 夏コン
夏コン2017~これを読まずに聞いてはいけない!~

今年の夏コンは、ファンタジーや物語の音楽がテーマ。だから、ストーリーを知らずに聞くなんてもってのほか(-.-)

逆にストーリーがわかって聞くと楽しさ100倍!

オーケストラって楽しいな~ って思っていただけること請け合い。

それでは、ストーリーの解説のはじまりです(^^)/~~~

<はげ山の一夜>

一言でいうと、「オバケの音楽」です。怖~い曲です。不気味な曲の始まり、宴会の情景も明るくありません。何やら楽しそうですが、不気味な楽しさです。

ロシアの作曲家ムソルグスキーが1867年に作曲した交響詩で、キリスト教のお祭りである、聖ヨハネ祭(夏至のお祭り)の前夜、「はげ山で魔物や幽霊たちが大騒ぎするが、夜明けとともに消え去っていく」というロシアの民話に基づいた曲です。

本日演奏するのは、ムソルグスキーが作曲した元々の曲(原典版といいます)ではなく、ムソルグスキーの死後、リムスキー=コルサコフという同じロシアの作曲家が編曲したものです。原典版では、曲の終わりは、魔物たちのどんちゃん騒ぎのまま終わるのですが、リムスキー=コルサコフ版では、朝日が昇ると同時に魔物たちが消えていく情景が描かれています。

 

魔物たちが宴会に集まってくる様子、

“飲めや歌えや”のどんちゃん騒ぎをする様子、

夜明けを告げる村の鐘の音とともに朝日が昇ってきて・・・

宴が終了し、山に静けさが戻ってくる様子を想像しながら聞いてください。

 

<魔法使いの弟子>

魔法使いの老師が弟子に留守番を任せて出かけるところから物語は始まります。

弟子は師から命じられた水汲みをさぼるために覚えたての魔法を使ってホウキに水くみをさせようと思いつき、魔法の呪文を唱えます。

ホウキは動き出して水くみを始め、水槽の水かさはどんどん増えていきます。

 

“しめしめ”と思った弟子でしたが、なんと、水汲みを止める呪文を知らないことに気づきます。

ホウキの水くみは止まらずどんどん水を汲むため、頭にきた弟子は、ホウキにおのを振り下ろし真っ二つに割ってしまいます。やれやれと弟子が安心したのもつかの間、割れたホウキは分身を増やし、勢いを増して水くみを始めました。ホウキたちはどんどん水を汲むので部屋の中は水びたし。

弟子は万時休す、どうしようもなくなったところに金管楽器のファンファーレとともに老師が帰宅し呪文を唱えると水汲みは止まり、溢れた水も消え去ります。最後は老師にこっぴどく叱られて物語は終わります。

 

<ニュルンベルクのマイスタジンガー 第一幕への前奏曲>

ワーグナーという作曲家のオペラ「ニュルンベルクのマイスタージンガー」の第1幕への前奏曲で、コマーシャル、TV、様々な演出の場面でよく使われている、超有名な曲です。

名前にあるニュルンベルクとは、ドイツのバイエルン州の都市のひとつで、このオペラの設定となっている16世紀に手工業が発達し、各手工業の親方(マイスター)たちが芸術(歌唱)に携わり、マイスタージンガー(親方歌手)と呼ばれていました。

↓ 現在のニュルンベルク

「前奏曲」には、4時間以上にも及ぶこの劇の内容がコンパクトに詰め込まれています。まるで、映画の予告編のように・・・

前奏曲は、まずいきなり“ジャーン”と「マイスタージンガー」のモチーフ(テーマ)から始まります。マイスター(親方)たちの堂々とした雰囲気が素敵です。

続いてフルートが奏でる素敵な旋律が「求愛」のモチーフです。

その後、様々なモチーフが現れます(書き出すと、長くなるので省略します)が、聴きどころは、対位法(多くの旋律やパートを重層的に組み合わせて同時に演奏する手法)を見事に活用していることです。

色々な楽器が全く異なる旋律を弾いているのに、全体としては、重厚な素晴らしいメロディーが出来上がっています。

特定のパート(楽器)に注目しながら聞いてみると、どのような旋律が組み合わさっているかがわかりますので、ぜひトライしてみてください。

♪♪♪♪♪楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」のあらすじは・・・

舞台は、16世紀のニュルンベルク。この街にやって来た騎士ヴァルターは、教会でエーファと出会い、二人は互いに惹かれ合います。しかし、エーファの父は、聖ヨハネ祭(はげやまの一夜に出てくるお祭り)で行う歌合戦の優勝者に全財産とエーファを与えることにしていました。

エーファとの結婚を狙っている恋敵との駆け引きを経て、ついにヴァルターは歌合戦で優勝し、エーファとの結婚を実現させます。

そして、彼女の父から「マイスタージンガー」の称号を与えようと言われるのですが、なんとそれを断ってしまいます。それを聞いた、ザックス(靴屋の親方職人・ヴァルターが歌を教わった師匠・かつてエーファに恋心を抱いていた)は、彼に伝統芸術を継承する大切さを説き、人々から「我がドイツ芸術は永遠に不滅なり。我らがザックス万歳!」と称賛され幕を閉じます。